産業廃棄物収集運搬業の新規申請をお手伝いしていると、法人で申請されるにもかかわらず、提出された車検証の「使用者名義」が代表取締役や役員など個人名義のままになっているケースによく出会います。
実は、産廃許可の申請において、車検証の「使用者」欄が申請法人名義になっていることは極めて重要な要件の一つです。この名義が個人のままでは、申請が受理されなかったり、補正指示が出て申請のやり直しを迫られたりすることもあります。最悪の場合、予定していた許可取得のタイミングがずれ、契約や業務のスタートに支障をきたす恐れもあります。
こうした事態を避けるためには、「法人名義での許可申請には、法人名義の車両を用意する」という大原則を理解しておくことが不可欠です。
なぜ“法人名義”が重要なのか
産業廃棄物収集運搬業の許可は、申請した法人に対して与えられるものです。つまり、業務の実施主体は「法人」であり、廃棄物を運搬する車両についても、法人が管理・使用している必要があります。そこに代表者の名前が記載されていると、「これは法人の車ではなく、個人が使っている車では?」と判断されてしまうのです。
許可制度は、申請者が責任をもって業務を遂行できる体制を整えているかを重視します。
そのため、書類上でも管理体制の明確さが求められ、「名義が誰か」という形式的な要件が実は非常に大きな意味を持つのです。
ありがちな“個人名義”のまま申請してしまうケース
実際には、法人として申請しているにも関わらず、以下のような状況で車検証が個人名義になっていることがあります。
たとえば、法人を設立する前から個人事業として使っていた車をそのまま使用していたり、車の購入時に代表者個人のローンを使ったために名義が個人になっていたりする場合です。あるいは、法人の業務で使っているのだから細かい名義までは問われないだろう、と考えてしまうこともあるかもしれません。
しかし名義が個人になっていると、原則「補正指示ー修正ー再提出」という流れになります。
法人名義でない車両でも許可は取れる?
では、車検証の名義が個人になっている場合、必ず名義変更の手続きを行わなければならないのでしょうか。一般的には車検証上の名義を法人に変更するため、運輸支局(陸運局)で「使用者変更」の手続きを行うのが通常の対応です。ただし、大阪府では例外的に、車両が法人によって適切に使用・管理されていることを証明できる書類「車両の貸借に関する証明書」を提出すれば、個人名義の車両でも申請が可能です。(大阪府手引きより抜粋)

代表取締役個人が所有している車両を法人が業務で使用しているという形であれば、その事実を明文化した「車両貸借証明書」を作成・提出することで、車検証上の名義が個人であっても、許可申請を進めることが可能です。
名義を確認するために
近年の制度改正により、車検証は「電子車検証」へと移行され、見た目もICチップ付きのカード型になりました。これに伴い、従来のように紙面を見ただけでは、車両の使用者の氏名や住所といった重要な情報が確認できなくなっています。
つまり、許可申請時に確認が必要な「使用者名義」や「本拠地の位置」といった情報も、車検証カードだけでは分からず、別途確認が必要になるということです。
では、どうやって確認するかというと、「車検証閲覧アプリ」など、国土交通省が提供している専用アプリをスマートフォン等にインストールし、車検証に内蔵されたICチップを読み取る必要があります。
スマートフォンで電子車検証のICチップを読み取る方法はこちらの動画でご確認ください。
「【2023年1月施行!】電子車検証(実物)で使い方を解説!ICチップをスマホで読み取り!」(ジャパンカーレスキュー)
よくある質問

こんな方はご相談ください!
「車両の車検証が代表者や役員の個人名義のままになっている方」
「車検証の名義変更の手続きが初めてで、どう進めればいいかわからない方」
「産廃許可申請全般で、車両に関わる手続きや書類準備を専門家に任せたい方」
当事務所では産業廃棄物収集運搬業「積替え・保管なし」の許可取得に特化し、
✅公的資料の取得代行
✅各都道府県への申請書類作成
✅ご相談から許可取得までのフルサポート
6万円(税込)で提供しております。お気軽にご相談ください。

お問い合わせ
産廃収集運搬業(積替え・保管なし)
低価格・迅速対応・フルサポート